運営方針 |
次ぎのことを法人の「理念及び品質方針」としている。
理 念
安心・安全・愛情
品質方針
一 私たちは、関係法令・規準を遵守し、コンプライアンスを尊重した運営を行います。
一 私たちは、ご利用者が個人の意思と可能性が尊重され、自立したその人らしい生活を、地域社会で営むことができるよう、援助します。
一 私たちは、事業の高い公共性と倫理性を自覚し、開かれた施設運営と経営の透明性に努めます。
一 私たちは、地域社会への貢献と共生に努めます。
一 私たちは、広い視野とプロフェッショナルとしての専門性を高めるため、研鑽と努力を惜しまず、常に介護サービスのあるべき姿を提示します。
一 私たちは、一誠会へ寄せられる貴重なご意見、ご批判などを真摯に受け止め、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善し、常に成長し変化し続けながら、一貫した高品質のサービスを提供する一誠会ブランドを構築します。
令和7(2025)年度 重点目標
1.創意工夫の財務活動~知恵を絞り出す経営(Using Wisdom to Squeeze Out )のための財務戦略~
<本項の着眼点>
本項では、令和7年度(2025年度)の介護保険制度および介護報酬改定の2年目における取り組みを通じ、確実な加算算定の実施と予算達成を図るとともに、中長期的な財務戦略を進める必要性について述べます。
第9期介護保険計画において「介護人材確保」および「介護現場の生産性向上」が重点課題として掲げられていることから、当法人では科学的介護の推進と生産性向上に取り組み、特別養護老人ホームや地域密着型特別養護老人ホーム、看護小規模多機能型居宅介護、グループホームなどで現在算定している「生産性向上推進体制加算Ⅱ」から、上位の「加算Ⅰ」の算定を目指して要件を達成する取り組みを進めます。
また、パナソニック創業者・松下幸之助氏の「少ない労力で大きな成果を上げる努力も尊い」という言葉に倣い、働き方や業務の創意工夫を行い、残業時間の適正化を目指すとともに、品質管理室による業務手順の整備や各部署での無駄や非効率な作業の見直しを通じて、翌年度の「ワークライフバランス認定企業」への申請を目指します。
さらに、経営人事戦略検討会議では、各事業の収支分析を毎年度の課題としており、福祉会計サービスセンターの研修カリキュラムを活用して部長以上の経営層が多角的な分析能力を高め、支出削減や収益向上に向けた経営改善策を模索し、予算目標達成を図ります。同時に、おむつやリネン、清掃、給食委託に関する業者選定をスケジュールに基づいて進め、見積もりの精査や契約条件の改善を法人本部と管理課が主体となって実施し、費用対効果を最大化する契約内容を検討します。
また、令和6年度の課題抽出報告書に基づき年度目標を策定し、八王子市高齢者在宅サービスセンター中野および高齢者世帯付住宅(シルバーピア)の補助金を含めた法人全体収入が13億円を超えることを見込むとともに、配食サービスなど地域公益事業の赤字分を含んだ上で、全事業において60,000,000円以上の当期活動増減差額、45,000,000円の施設整備などの積立金を目指します。
さらに、経営において、人件費率は重要な指標の一つです。なぜなら、適切な人件費率を把握し、管理することは、組織の収益性と持続可能性を左右するからです。厚生労働省が公表している介護事業の収支実態調査によると、人件費比率は、人件費のみの場合は、50~60%程度、委託費を含めた場合には60~70%未満程度とされています。しかし、令和6年度12月までの実績では74%に達しており、これまでで最も低かった令和元年度の61.7%を目指し段階的に引き下げる必要があります。そのため、平成29年度や令和2年度の67%という水準を目安に、計画的な削減を進めることが求められています。
これらの取り組みを通じ、「生産性向上」「人材確保」「コスト削減」といった介護業界全体が直面する共通課題に対応し、利用者に質の高いサービスを提供すると同時に、限られた財源と人材を有効活用し、地域社会や関係機関と連携した持続可能な介護サービスの提供につなげることを目指します。
2.介護サービス根幹の強化と続・介護の生産性の向上~知恵を絞り出す経営(Using Wisdom to Squeeze Out )のためのサービス戦略~
<本項の着眼点>
本項では、介護サービスの基盤を強化するため、次の取り組みを進めます。
まず、京セラ設立者の稲盛和夫氏の「中小企業が多角的に成功する秘訣は、まず得意技を持ち徹底的に磨くこと」という言葉を参考に、一誠会の各事業においても特徴的なサービスを磨き、競争力を高めます。
具体的には、偕楽園ホーム(45年目)、初音の杜(13年目)、第二偕楽園ホーム(7年目)において、利用者が快適に過ごせる環境を整えるため、全職員が協力して美化活動に取り組みます。この活動を通じて職員間のコミュニケーションを活性化し、職場環境の向上に繋げるとともに、「古くてもきれいである」施設づくりを徹底します。
この取り組みは、特別養護老人ホームやデイサービス、グループホーム、看護小規模多機能型居宅介護、高齢者あんしん相談センターなど、当法人が運営する全施設で実施します。
また、美化活動を評価する表彰制度を導入し、安全衛生委員会、研修委員会、認知症ケア向上委員会、生産性向上委員会、安全管理部門など各委員会が、それぞれの取り組みを表彰基準に基づいて評価し、職員会議で表彰を行います。
一方で、利用者の希望に応じた個別ケアの充実を図り、特別養護老人ホームやグループホームにおいて外出支援を推進します。さらに、認知症対応の専門施設として、困難な症状を持つ利用者の受け入れを工夫し、短期入所やデイサービスでの柔軟な対応を進めます。
生産性向上委員会と協力し、偕楽園ホーム介護課では腰痛予防や利用者の拘縮予防を目的に、複数年計画でノーリフトケア(リフト機器を使用した移乗介助)を導入し、補助金を活用しながらリフトの計画的な設置を進めます。
さらに、八王子市高齢者在宅サービスセンター中野および高齢者世帯付住宅(シルバーピア)では、地域への認知を広める活動を継続し、増収と経費削減に取り組むことで黒字化を目指します。
また、防犯対策やリスクマネジメントの一環として、防犯カメラの設置を管理課や事業所長と連携して進めます。
広報委員会では、ターゲットを明確に定め、SNSやホームページを活用したリクルートに特化した情報発信を強化します。安全管理部門では、リスクの発生頻度や影響を分析し、リスク管理の強化を図ります。
感染症対策委員会と災害対策委員会では、BCP(事業継続計画)の更新と訓練の実施を進めます。これらの取り組みを通じて、介護サービスの質の向上と経営の安定化を図り、令和6年度の課題抽出報告書に基づいた年度目標を策定し、組織全体で達成を目指します。
3.働きやすい職場環境づくりと人材育成~経営知恵を絞り出す経営(Using Wisdom to Squeeze Out )のための人材確保・育成戦略~
<本項の着眼点>
本項では、離職率の低下や研修の充実、人材育成を通じて職員が安心して働ける環境を整え、全職員が役割を持ち、その体験から成長を実現することをテーマとします。
幕末の思想家である吉田松陰の「役割が人を作る」という言葉が示すように、役割を明確にし、責任を持って取り組むことで人は成長すると考えます。
これを実現するため、介護現場における利用者担当、クラブ活動、委員会、行事、研修、チューター制度、研究発表など、職員の役割分担を見直し、すべての職員が役割を果たせるよう可視化を進めます。
また、役職者が次世代の人材育成を意識できるよう、研修委員会と管理課が連携して業務ラダーを整備し、各職員がどの資格を取得し、どの研修を受けるべきか、またどのような活動を行うべきかを明確にします。
さらに、法人内での自己啓発として資格取得を奨励し、取得者を適材適所に配置することで、サービス提供強化加算を算定可能な事業所の拡大とサービス向上を図ります。この資格取得および配置の管理は、管理課と研修委員会が担います。
次に、職場における心理的安全性を高めるため、会議やミーティングを職員同士が意見を出し合い、価値観を共有できる場とすることを目指します。そのため、柏崎市の「会議の進め方ガイドライン」を参考に、品質管理室、職員会議、経営幹部会議(MR)などを通じて会議の進行方法を改善し、より建設的で効率的な会議運営を実現します。
また、新人職員が入職した際の早期離職を防ぎ、定着率を向上させるために、チューター制度をさらに機能させる取り組みを行います。具体的には、チューター制度のルールや心得を明確化し、マニュアルを新人研修プログラムに組み込むことで、新人職員が安心して働ける体制を構築します。
これらの取り組みを通じて、職員が成長を実感できる環境を整備し、働きがいのある職場づくりを進めてまいります。
その他
昨年度未達成の重点目標は引き続き課題として位置付け、各部署で達成に取り組みます。 |