19. 介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)

 どのようなホームか

①事業開始年月日、入居者数、入居率-経営健全度の目安となる
事業開始年月日と入居者数を確認したうえで、入居率をみましょう。A、Bホームともに入居率は90%前後です。
下表には掲載していませんが、定員と入居期間も公表されていますので、併せてみれば経営健全度の目安となります。敷地と建物は事業所を運営する法人が所有しているか、抵当権は設定されているかも公表されています。
②退居者数と退居後の行き先等-介護の状況をみる
A、Bホームいずれも、8人が退居しています。退居後の行き先をみると、Aは自宅等2人、医療機関6人、Bは自宅等4人、医療機関3人、介護保険施設1人です。
契約前に、これまで退居した人の理由を尋ねることと、見学をした際、どこまで介護をするのか介護の現場を見ることが大切です。
③居室-個室か、介護はどこで受けるかを確認
  • 一般居室(介護を要しないとき入る部屋)は個室でも、介護居室(介護が必要になったら入る部屋)は相部屋というホームがあります。
  • 一般居室はなく、介護居室だけという要介護者向けのホームがあります。このようなホームも個室か相部屋か確認しましょう。
  • 介護を受ける場所は、入居した一般居室か、あるいは一般居室から介護居室に移るのか、別のホームや建物に移るのかも公表されています。移る場合の、前払い金(入居一時金)の取扱いについて確認しましょう。

 費用は、どのぐらいかかるのか

家賃などの支払い方式は、❶「入居時に一括して終身の家賃等の費用の全部または一部を支払う前払い方式(入居一時金方式)」、❷「月払い方式」、その他❶と❷の「併用方式」や、❶と❷の2つから「選択する方式」があります。

④前払い方式(入居一時金方式)、初期償却率、償却年月数
  • 前払い方式のAホームの額は、居室によって異なり、650万~2,085万円です。
    ホームによって大きな差があります。
  • 初期償却率とは、前払い金のうち、入居期間にかかわらず返金されない金額の割合のことです。
    Aホームは、入居直後に9.66%償却され、72か月(6年)で全額が償却されます。
  • 入居後3か月以内の退居であれば実費分を除き全額返還されることが法律で定められています。しかし、これを過ぎると返還金の額が大幅に減少するホームがありますので、契約する前に、「償却年月数(一時金が全額償却されて戻らなくなる年月数)」と「解約時の返還の計算式」をみて、4か月後、1年後などに退居した場合、戻ってくる額を計算してみましょう。
④月払い方式
月払い方式のBホームは、毎月家賃を13万円支払います。ホームにより、家賃は大きな差があります。
A介護付有料老人ホーム B介護付有料老人ホーム
事業の開始年月日 年 月 日 年 月 日
入居者数(①) 76人(要介護65人)
(要支援・自立11人)
75人(要介護60人)
(要支援・自立15人)
入居率(①) 90.6% 88.0%
前年度退居者数
(退居後の行き先等別)(②)
自宅等2人、医療機関6人
死亡14人
自宅等4人、医療機関3人、
介護保険施設1人
死亡21人
居室(③) 一般個室(18㎡) 一般個室(23.81㎡)
利用料の支払い方式(④) 前払い方式 月払い方式
支払い方式
A:前払い方式 B:月払い方式
入居一時金(1人)(④) 650万~2,085万円
・初期償却率 9.66%
・償却期間 72か月
・解約時返還金の算定方法 (入居一時金×(100%-初期償却率))×(契約終了日以降償却年月数末日までの日数÷償却年月数の日数)
家賃相当額(④) 13万円
人員配置が手厚い場合の介護利用料(⑤) 0 0
他の一時金(⑥) 0 0
管理費、食費/月(他略)(⑦) 管理費11.8万円
食費6.4万円
管理費3.5万円
食費3.6万円

※事業所を比較するには「このホームページの使い方(5章 事業所を比較したい)」をご参照ください。

⑤人員配置が手厚い場合の介護利用料 ⑥他の一時金 ⑦管理費、食費等
  • 人員配置が手厚い場合の介護利用料はAホーム、Bホームともにゼロですが、なかには数10万円から1,000万円以上というホームがあります。
  • 他の一時金は、A、Bホームともにゼロですが、他の一時金を徴収しているホームの中には、「解約時に返還しない」と公表しているホームもありますので注意しましょう。
    入居一時金と同じように、初期償却率や償却年月数、解約時返還金の算定方法が公表されていますので、確認しましょう。
  • 毎月支払う管理費、食費のほか、多くのホームが光熱費を徴収しています。
  • 介護利用料を月額で徴収しているホームもあります。
  • その他にも徴収している費用があれば、すべて公表することになっています。
入居者とホーム側のトラブルには、説明のなかった費用を徴収されたというケースや説明と違う金額を請求されたというケースがあります。トラブルを避けるためにも公表されている金額を確認しましょう。

 介護等を担うのは、どのような人か

⑧看護職員、介護職員1人当たりの利用者数
看護職員、介護職員1人当たりの利用者数をみると、Aホーム1.41人、Bホームは3人です。
1人の職員が担当する利用者は少ないほうがよいといえます。
⑨介護職員数、介護職員の前年度退職者数
  • Aホームは、常勤35人、非常勤18人(常勤換算46.1人)。
    Bホームは、常勤22人、非常勤ゼロ(常勤換算22人)。
  • 退職者数と職員数に占める割合は、Aホーム53人中11人(20.8%)に対し、Bホーム22人中3人(13.6%)です。
⑩介護業務に従事した介護職員の経験年数
介護業務に従事した経験年数が10年以上の介護職員数(常勤と非常勤の計)をみると、Aホーム53人中13人ですが、Bホームはゼロです。
⑪介護職員の資格
  • 介護福祉士:Aホームは常勤35人中25人(71.4%)、非常勤18人中6人(33.3%)
    Bホームは常勤22人中13人(59.1%)
  • 介護支援専門員:A、Bホームともに2人います。
⑫夜間看護・介護職員数 ⑬看護職員数、その他の有資格者数
  • 介護事故は職員の手薄な夜と早朝に発生しやすいことから、夜間勤務の介護職員、看護職員の人数を確認しておきましょう。
  • 看護職員は、Aホームには常勤が7人いますが、Bホームは常勤2人です。
  • Aホームには、理学療法士、作業療法士がいますが、Bホームにはいません。
※⑧~⑬をみると、ホーム全体の介護サービスの質がうかがえます。
※⑧~⑬の違いは、ホームによる差であり、支払い方式の差違ではありません。

 利用者の意見の把握、第三者評価等の実施状況

⑭利用者の意見等を把握する取組み
A、Bホームともに、利用者の意見等を把握する取組みがあります。Bホームは結果を開示していません。
⑮第三者評価等の実施状況
Aホームは、第三者評価を受けており結果を開示していますが、Bホームは受けていません。

 従業者の資質向上に向けた研修等の実施状況、介護キャリア段位制度の取組み

⑯従業者の資質向上に向けた研修等の実施状況 ⑰介護キャリア段位制度の取組み
  • A、Bホームともに、従業者の資質向上に向けた研修等について内容を記載しています。
  • 介護キャリア段位制度に、Aホームは取り組んでいませんが、Bホームは取り組んでいます。
A介護付有料老人ホーム B介護付有料老人ホーム
看護・介護職員1人当たり
利用者数(⑧)
1.41人 3人
利用者数/看護・介護職員
A:1.41人 B:3人
介護職員数
(常勤換算)(⑨)
常勤35人 非常勤18人
(46.1人)
常勤22人 非常勤0人
(22人)
常勤換算
A:46.1人 B:22人
前年度退職者数 常勤4人 非常勤7人 常勤3人 非常勤0人
介護業務に従事した経験年数(⑩) 常勤 非常勤 常勤 非常勤
1年未満 10人 6人 3人 0人
1~3年未満 8人 2人 8人 0人
3~5年未満 2人 1人 2人 0人
5~10年未満 7人 4人 9人 0人
10年以上 8人 5人 0人 0人
介護職員が有する資格
(延べ人数)(⑪)
常勤 非常勤 常勤 非常勤
介護福祉士 25人 6人 13人 0人
介護福祉士・常勤
A:25/35人 B:13/22人
実務者研修 0人 2人 2人 0人
介護職員初任者研修 10人 10人 7人 0人
介護支援専門員 2人 0人 2人 0人
夜間看護・介護職員数
(最少時)(⑫)
4人 3人
看護職員数(⑬) 常勤7人 非常勤2人 常勤2人 非常勤2人
看護職員・常勤
A:7人 B:2人
その他の職員の資格(⑬) 理学療法士(非常勤)1人
作業療法士(常勤)1人
なし
理学療法士、作業療法士
A:各1人 B:ゼロ
利用者の意見等を把握する
取組み(⑭)
あり
開示あり
あり
開示なし
第三者評価等の実施状況(⑮) あり
開示あり
なし
第三者評価
A:実施 B:なし
事業所で実施している従業者の資質向上に向けた研修等の実施状況(⑯) 全従業者向けの毎月1回の研修(感染症、緊急対応、ビジネスマナー、看取り、褥瘡予防、腰痛体操等) キャリアアップのための研修
高齢者虐待、接遇、ケアに関する全般の研修
介護キャリア段位制度の取組み(⑰) なし あり
介護キャリア段位
A:なし B:実施

※事業所を比較するには「このホームページの使い方(5章 事業所を比較したい)」をご参照ください。



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