22. 地域密着型介護付有料老人ホーム(地域密着型特定施設入居者生活介護)

 どのようなホームか

①事業開始年月日、入居者数、入居率-経営健全度の目安となる
事業開始年月日と入居者数を確認したうえで、入居率をみましょう。
Aホームは入居率86.2%、Bホームは100%です。
定員と入居期間(下表にはないが公表)も公表されていますので、あわせてみれば経営健全度の目安となります。敷地と建物は事業所を運営する法人が所有しているか、抵当権は設定されているかも公表されています。
②退居者数と退居後の行き先等-介護の状況をみる
Aホームは1人、Bホームは2人が退居しています。退居後の行き先をみると、Aは医療機関、Bは介護保険施設です。
契約前に、これまで退居した人の理由を尋ねることと、見学をした際、どこまで介護をするのか介護の現場を見ることが大切です。
③居室-個室か、介護はどこで受けるかを確認
A、Bホームともに、一般居室はなく、介護居室だけという要介護者向けのホームです。

 費用は、どのぐらいかかるのか

家賃などの支払い方式は、❶「入居時に一括して終身の家賃等の費用の全部または一部を支払う前払い方式(入居一時金方式)」、❷「月払い方式」、その他❶と❷の「併用方式」や、❶と❷の2つから「選択する方式」があります。

④前払い方式(入居一時金方式)、初期償却率、償却年月数
  • 前払い方式のAホームの額は、672万円です。ホームによって大きな差があります。
  • 初期償却率とは、前払い金のうち、入居期間にかかわらず返金されない金額の割合のことです。Aホームは、入居直後の初期償却はなく、84か月(7年)で全額が償却されます。
  • 入居後3か月以内の退居であれば実費分を除き全額返還されることが法律で定められています。しかし、これを過ぎると返還金の額が大幅に減少するホームがありますので、契約する前に、「償却年月数(一時金が全額償却されて戻らなくなる年月数)」と「解約時の返還の計算式」をみて、4か月後、1年後などに退居した場合、戻ってくる額を計算してみましょう。
④月払い方式
月払い方式のBホームは、居室によって異なりますが、毎月家賃を4.5~5.5万円支払います。
ホームにより、家賃は大きな差があります。
A地域密着型
介護付有料老人ホーム
B地域密着型
介護付有料老人ホーム
事業の開始年月日 年 月 日 年 月 日
入居者数(定員)(①) 25人(29人) 29人(29人)
入居率(①) 86.2% 100%
前年度退居者数
(退居後の行き先等別)(②)
医療機関1人
死亡2人
介護保険施設2人
死亡2人
居室(③) 介護個室(18.27㎡) 介護個室(13.83~13.85㎡)
利用料の支払い方式(④) 前払い方式 月払い方式
入居一時金(1人)(④) 672万円
・初期償却率 0%
・償却期間 84 か月
・ 解約時返還金の算定方法 ・入居前に解約した場合は、全額返還
・月割りで償却分を差引き、残額を返還
・保証金部分は原状回復実費を差引き返還
家賃相当額(④) 4.5万円~5.5万円
人員配置が手厚い場合の介護利用料(⑤) 0 0
他の一時金(⑥) 保証金28万円 敷金10万円
他の一時金を確認
他の一時金(⑥) 保証金28万円 敷金10万円
他の一時金を確認
管理費、食費/月(他略)(⑦) 管理費6万円
食費6.4万円
管理費3.3万円
食費4.8万円

※事業所を比較するには「このホームページの使い方(5章 事業所を比較したい)」をご参照ください。

⑤人員配置が手厚い場合の介護利用料 ⑥他の一時金 ⑦管理費、食費等
  • 人員配置が手厚い場合の介護利用料はAホーム、Bホームともにゼロですが、なかには数10万円から1,000万円以上というホームがあります。
  • Aホームは保証金が28万円必要ですが、退居時に全額返還するとあります。
    Bホームは敷金として10万円が必要です。
  • 他の一時金を徴収しているホームの中には、解約時に返還しないと公表しているホームもありますので注意しましょう。入居一時金と同じように、初期償却率や償却年月数、解約時返還金の算定方法が公表されていますので、確認しましょう。
  • 毎月支払う管理費、食費のほか、多くのホームが光熱費を徴収しています。
  • 介護利用料を月額で徴収しているホームもあります。
  • その他にも徴収している費用があれば、すべて公表することになっています。
入居者とホーム側のトラブルには、説明のなかった費用を徴収されたというケースや説明と違う金額を請求されたというケースがあります。トラブルを避けるためにも公表されている金額を確認しましょう。

 介護等を担うのは、どのような人か

⑧看護職員、介護職員1人当たりの利用者数
看護職員、介護職員1人当たりの利用者数をみると、Aホーム1.87人、Bホームは1.9人とほとんど差はありません。1人の職員が担当する利用者は少ないほうがよいといえます。
⑨介護職員数、介護職員の前年度退職者数 ⑩介護業務に従事した介護職員の経験年数
  • Aホームは、常勤12人、非常勤3人(常勤換算14人)。Bホームは、常勤14人(常勤換算14人)。
  • 退職者数と職員数に占める割合は、Aホーム15人中1人(6.7%)に対し、Bホーム14人中5人(35.7%)です。
  • 介護業務に従事した経験年数が10年以上の常勤の介護職員数をみると、Aホーム12人中1人(8.3%)ですが、Bホームは14人中8人(57.1%)です。
⑪介護職員の資格
  • 介護福祉士:Aホームは15人中6人(40.0%)に対し、Bホームは14人中10人(71.4%)。
  • 介護支援専門員:A、Bホームともに1人います。
⑫夜間看護・介護職員数 ⑬看護職員数、その他の有資格者数
  • 介護事故は職員の手薄な夜と早朝に発生しやすいことから、夜間勤務の介護職員、看護職員の人数を確認しておきましょう。A、Bホームともに、夜間最少時の人数は2人です。
  • 看護職員は、Aホームには常勤1人、非常勤2人いますが、Bホームは常勤2人です。
  • Bホームには、あん摩マッサージ指圧師が1人います。
※⑧~⑬をみると、ホーム全体の介護サービスの質がうかがえます。
※⑧~⑬の違いは、ホームによる差であり、支払い方式の差違ではありません。

 利用者の意見の把握、運営推進会議の開催、第三者評価等の実施状況

⑭利用者の意見等を把握する取組み
Aホームは、利用者の意見等を把握する取組みがあり、結果を開示していますが、Bホームは取組みがありません。
⑮運営推進会議の開催
A、Bホームともに2か月に1回(計6回)開催し、Aホーム35人、Bホーム15人が参加しています。
運営推進会議の議事も公表されています。
⑯第三者評価等の実施状況
Aホームは、第三者評価を受けており結果を開示していますが、Bホームは受けていません。

 従業者の資質向上に向けた研修等の実施状況、介護キャリア段位制度の取組み

⑰従業者の資質向上に向けた研修等の実施状況 ⑱介護キャリア段位制度の取組み
  • Aホームは、従業者の資質向上に向けた研修等について内容を記載していますが、Bホームは記載がありません。
  • A、Bホームいずれも、介護キャリア段位制度には取り組んでいません。
A地域密着型
介護付有料老人ホーム
B地域密着型
介護付有料老人ホーム
看護・介護職員1人当たり利用者数(⑧) 1.87人 1.9人
介護職員数
(常勤換算)(⑨)
常勤12人 非常勤3人
(14人)
常勤14人 非常勤0人
(14人)
前年度退職者数 常勤1人 非常勤0人 常勤5人 非常勤0人
退職者・常勤
A:1/12人 B:5/14人
前年度退職者数 常勤1人 非常勤0人 常勤5人 非常勤0人
退職者・常勤
A:1/12人 B:5/14人
介護業務に従事した経験年数(⑩) 常勤 非常勤 常勤 非常勤
1年未満 2人 1人 1人 0人
1~3年未満 4人 0人 0人 0人
3~5年未満 2人 1人 1人 0人
5~10年未満 3人 1人 4人 0人
10年以上 1人 0人 8人 0人
経験年数10年以上
A:1/12人 B:8/14人
10年以上 1人 0人 8人 0人
経験年数10年以上
A:1/12人 B:8/14人
介護職員が有する資格(延べ人数)(⑪) 常勤 非常勤 常勤 非常勤
介護福祉士 4人 2人 10人 0人
介護福祉士・常勤
A:4/12人 B:10/14人
実務者研修 8人 1人 0人 0人
介護職員初任者研修 0人 0人 4人 0人
介護支援専門員 1人 0人 1人 0人
夜間看護・介護職員数(最少時)(⑫) 2人 2人
看護職員数(⑬) 常勤1人 非常勤2人 常勤2人 非常勤0人
その他の職員の資格(⑬) 栄養士1人 あん摩マッサージ指圧師1人
あん摩マッサージ指圧師
A:ゼロ B:1人
その他の職員の資格(⑬) 栄養士1人 あん摩マッサージ指圧師1人
あん摩マッサージ指圧師
A:ゼロ B:1人
利用者の意見等を把握する取組み(⑭) あり
開示あり
なし
意見把握
A:実施 B:なし
利用者の意見等を把握する取組み(⑭) あり
開示あり
なし
意見把握
A:実施 B:なし
運営推進会議の開催(⑮) 2か月に1回(35人)
行事報告、今後の報告、事故報告
地域の方からのご意見・ご要望
ご利用者、ご家族からのご意見・ご要望等
2か月に1回(15人)
地域の連携について施設行事について、また介護施設がどの様な活動をしているかの紹介など
入居状況報告会、研修発表会も兼ねる
第三者評価等の実施状況(⑯) あり
開示なし
なし
第三者評価
A:実施 B:なし
第三者評価等の実施状況(⑯) あり
開示なし
なし
第三者評価
A:実施 B:なし
事業所で実施している従業者の資質向上に向けた研修等の実施状況(⑰) 月1回課題を決め課題別研修を行っている。その他グループ法人と合同で階層別研修も行っている。 記載なし
介護キャリア段位制度の取組み(⑱) なし なし

※事業所を比較するには「このホームページの使い方(5章 事業所を比較したい)」をご参照ください。

このほかに公表されていること

体験入居を行っているか確認することができます。Aホームは体験入居を行っていませんが、Bホームは1泊2日2,000円、2泊3日3,000円で体験入居ができます。



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